羽根邦夫Blog

”工学博士、電磁波対策製品WAVESAFE発明者のブログ”

欧州でも反移民が時流に

 今回は欧州の移民問題についてです。米国の政治問題は失業、インフレ、脱炭素、対中国外交などですが、一番の問題は移民です。リベラルな民主党と保守的な共和党は、これらに対する対策が真逆で妥協策が有りません。一方、欧州でも政治の争点が失業と移民なのは米国と同じです。ただし、米国への移民の多くが南米からのキリスト教徒であるため、宗教は争いの原因になりません。しかし、欧州では、移民の大半はアフリカからのイスラム教徒であり、欧州在住のキリスト教徒と宗教上の摩擦を生じ、根深い反感を生じます。
 歴史的に、EUへの移民は旧植民地からが主であり、4、5年前までEU諸国は旧植民地人であることと、貧者を助けるというキリスト教的な考えと、人種差別反対と弱者救済というリベラリストの移民推進論で移民を受け入れ、国内で吸収できる人数を安価な労働力として利用してきました。
 しかしここ数年、リベラリストが後押しをする移民の大群が、北アフリカの失敗国家群から押し寄せています。過剰な移民は国家のインフラとサービスの許容量を越えて、治安の悪化や失業の増加、医療のタダ乗りによる医師不足と医療費負担の高騰などを起こしています。この結果、生活に悪影響を受けた貧しい労働者は移民に反対するようになっています。

 リベラリストの移民後押しは、各国の固有文化を移民によって破壊して国境を無くす、という革命行為の一環のようで、彼等は大量の移民で生活が困窮する労働者たちは、被害者として政府の攻撃を行うという目論見でしょう。しかし、攻撃の対象が政府ではなくて移民になったのは、リベラリストの計画が失敗したことになります。
 そこでリベラリストは労働者階級の反移民運動を攻撃するために、マスコミを使ってこの運動に極右とレッテル貼りして抑え込もうとしました。欧米では極右とナチズムは同意語であり蔑視の表現ですが、各国の反移民運動は増え続けていおり、選挙では反移民の意見が以下の様にまとまりつつあります。
 イタリアのジョルジャ・メローニ氏は欧州で最も早く反移民を掲げて、右派の保守系の首相となり、一時はムッソリーニの信奉者、とデマを流されたりしましたが、政策は極端に走らずEUにイタリア経由で他国へ移民が流れ込むのを防いでいます。
 フランスでもマリーヌ・ルペン氏が率いる国民連合RNが、移民反対を支持されて大きな力を持ち始めており、ドイツ、オランダも反移民が力を持っています。フランスでの話題は、極右とレッテル貼りされていたRNへの投票が恥ずかしくなくなったことで、日本で言えば、田母神俊雄氏には投票し難いが、飯山陽(あかり)氏なら投票しやすいみたいなものです。
 英国では既に2020年に反移民を発端として、Brexit(EUからの離脱)の実績があります。Brexit直後は反動で保守党が政権を取りましたが、2024年6月の総選挙では大敗して、躍進したリフォームUK党のナイジェル・ファラージ氏が、労働党のキア・スターマー首相と共に今後の英国での反リベラル、反移民を主導することになります。
 フランスやイタリアの動きがEU内へ波及するのは確実で、EUの反移民政策は税を自国民のために使い、死者を増やすウクライナへの支援はしなくなることでしょう。下の写真は左からマリーヌ.ルペン仏国民連合RN党首、ジョルジア.メローニ伊首相、ナイジェル.ファラージ英リフォームUK党首で、移民を肯定するEUの指導者たちはいずれも選挙に敗れており、メローニ氏を筆頭としてこの3人が今後のEUを主導してゆくことになります。

 この様に世界は、リベラリスト主導の差別と国境の無い世界を口実とした、移民の増加に反対をし始めました。しかし残念ながら、スウェーデン、ノルウエーなどの北欧諸国は手遅れで、過剰な移民が原因の治安の悪化と経済の失敗により、国家の崩壊が始まっています。これらの国々は、社会主義革命を経て暴力革命の段階に入っており、いずれはアフリカの失敗国家のように独裁者が暴力で支配するか、ロシアの助けで全体主義国家となって治安を取り戻すかのいずれかになるでしょう。
 米国、EU、北欧の移民政策は、外国人移民の労働力を利用し、収奪する方法が失敗だったことを示します。日本は、この様にならないように、外国人の労働力に頼ることと、移民の急増を制限しなければなりません。

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