中国の2つの宗教、儒教と共産主義
現在の中国は政策的には単純ですが、国民と国家が持つ固有の思想が政治の円滑な実施を妨げて国内は乱れているようです。これが、中南米やアフリカの小さな国であれば世界の平和と安定に大きな影響を与えませんが、自称GNP2位の大国の不安定は、日本に大きな影響を与えるので、注目してみましょう。
中国は中華人民共和国と名乗り、政治的には共産主義政治です。この国民は人民と呼ばれ、古くから孔子を始祖とする儒教の教えに従います。共産党支配が80年程度であるのに対して、孔子が生まれたのは紀元前552年とされ歴史的には2000年以上の歴史を持つキリスト・イスラム教より古い宗教の一つです。現在、中国人民は2、3代が共産主義思想下に在りますが、ほとんどDNA化された儒教思想がその思考の基礎に有ります。
よく言われる、共産主義を宗教として無謬性を信じることで、発展途上国をある程度の経済状態まで引き上げるには最適な政策だが、それ以上は難しい。と言われます。それ以上のレベルとは、社会と国民が自由に意見と考えを述べて、競争状態にすることでその集団や国家を最適状態で運営する、株式売買で評価する資本主義体制です。
中国は革命後、毛沢東のぎりぎりと締め上げる共産主義の後、鄧小平が「改革開放」を主導して資本主義へと軟化して移行しようとしましたが、江沢民と胡錦涛が揺り戻しをかけて、習近平が独裁化のためさらに共産主義へと硬化しています。
この間、人民は家父長の言いつけに従うがごとく体制を守り、経済発展の恩恵を喜びました。しかし、習近平時代になって競争原理が無い経済体制は、進歩が止まって企業は倒産して産業は停滞し、若者は失業しています。成長の果実を味わえなくなった人民は、儒教の家族主義に従って、隣の家の果実をうらやみ、盗みを働くようになっています。これが現在の中国の政治と人民の姿です。

マルクス・レーニン以来、共産主義国家が円滑に経済成長を続けている例は有りません。革命をおこして資本主義国家になろうとしたロシアが有りますが、共産主義を受け入れていた国民は革命を受け入れず、円滑に資本主義国家となることは出来ないようです。今後はウクライナ戦争で失った労働力の不足を移民で補うことになり、ますます失敗し、経済と社会が悪化することでしょう。
一方、中国は戦争経験が無くても、儒教教育がしみつき科挙制度が未だ残るエリート志向の膨大な数の若者が、果たして肉体労働を受け入れるか、一人っ子政策で我儘な若者が低賃金労働を受け入れるか、中国にとっては日米よりも儒教のDNAをもつ人民そのものが危険な勢力になるのではないでしょうか。
プーチンと習近平の今後を見守りましょう。
