アナゴはつまみと寿司でそれぞれ美味しく、寿司のアート続き
多くの寿司屋が看板商品として、アナゴを一本付けした寿司の写真を飾ります。しかし、写真の右側の様な巨大なアナゴの寿司をどうやって食べるのでしょう。昔から、本物の寿司屋はアナゴをお客に出すには、まずアナゴを酒のつまみとして出し、お腹の足しにするためにシャリよりも少しだけアナゴが大きい寿司にします。こんな巨大なアナゴの寿司をお客に出しませんでした。

左側は料理のなだまんのアナゴの押し寿司で、寿司屋のにぎり寿司とは違いますがこのくらいの大きさとアナゴの量が良いと思います。右のアナゴ寿司は、見栄えで脅かしても正しく調理しているか怪しく、ネタをシャリの3倍も4倍もの大きさでそのまま乗せた寿司なんてのは、手がかかっていない上に粋ではありませんし、炭水化物、蛋白質、脂肪のハーモニーが成立しません。
この写真の様な寿司をどうやって食べるのでしょうね。箸で食べればお米がばらばらになり、手で食べればアナゴとお米を両手で持つ、見っとも無い恰好になります。食べにくい料理を食べさせるのは、お客を馬鹿にしています。メニューにこんな写真を載せる店は入らないようにしましょう。アナゴの食べ方は、「アナゴをちょっと焙ってつまみで」、と頼むのが良く、その後で残ったアナゴで寿司を握ってもらえば、1本のアナゴを美味しく食べられます。
しかし、しっかりしたお店ほどお気を付け下さい。こんな注文ができるようになるには、その店と馴染になっていなければなりません。初見でこんな注文をすると、どんな請求書が来るか分かりません。もし馴染になったとしても、「昔父がこんな食べ方をしていたなあ」と言いながら、そーっと注文したらいかがでしょう。
アナゴが旬と呼ばれるのは年に2度あるとのことで、6月~8月は脂が少なく、天ぷらに向いています。脂ののる冬は、寿司に乗せるには脂が強すぎるとのことで、煮アナゴにして脂を抜き、火にあぶって脂を抜いてつまみで酒の肴に良いとのことです。夏のアナゴは寿司に向いているともいわれますが、冬のアナゴも焙って脂を抜けば寿司で美味しく頂けるのかもしれません。こうして江戸前のアナゴを食べていた父にきちんと教えてもらえばよかったです。
