電磁波対策の最初は、心臓ペースメーカー用
電磁波対策の最初は、心臓ペースメーカー用の電磁波吸収アンテナでした
公共交通機関の中で、優先席付近は携帯電話の電源を切る、と言うことになっています。これは、携帯電話の電磁波が心臓ペースメーカを誤作動させる恐れがあるからです。誤作動は、心臓ペースメーカのリード線がアンテナとなって携帯電話の電磁波を受け、心臓が動かなくなってもペースメーカーは心臓が元気に動いていると誤認して、止まったままで役に立たないことがあるからです。
そこで、10年ほど前にペースセーバーという電磁波を吸収するアンテナを組み込んだシャツを開発し、販売しました。アンテナは鎖骨からみぞおちまでを覆い、携帯電話の電磁波を20dBm(電力量で100分の1)くらいに低下させる、すぐれた性能を持つものでした。このアンテナで、たとえ携帯電話が近くにあっても電磁波強度を弱めるので、ペースメーカは影響を受けないことになります。
しかし、最近のペースメーカーは利口になって、外来の雑音と心臓の出す信号を選り分けて動作するでしょう。また、通話していない携帯電話が出す電磁波は基地局更新情報の一瞬だけですから、ペースメーカーに障害は起こさないでしょう。ですから、この心臓ペースメーカのための電磁波吸収アンテナのペースセーバーは、製造中止にしました。
但し、ポータブルプレーヤーのイヤホンで音楽を聴く場合、プレーヤーを体の前に置くと鎖骨の下に埋め込んだペースメーカーから静脈を通して心臓に達するリード線と、イヤホンのケーブルが、数cmの距離で首から心臓まで並び、いわゆる並行線間の誘導が起き、イヤホンに流れる電流が心臓ペースメーカーのリード線に流れます。心臓ペースメーカーのコンピュータは心臓の出す電気信号に加えて、聴きたくも無い音楽を聴かされるわけです。線同志が近付くほどペースメーカーに誘起される音楽信号は強くなり、心臓が止まっても、ペースメーカーは気付かないか、心室細動が起きていると勘違いします。前者の場合は、心臓は止まったままになり、後者は電気ショックを心臓に与えます。いずれにしても良くありません。
最新型のペースメーカーのコンピュータの能力はどうなのでしょう。ソフトウエアはさらに進歩して携帯電話や音楽と心臓の信号を識別できると思います。そうであれば、ペースメーカー装着の方々はもっと安心して、音楽を楽しみながら電車に乗れるようになると思いますが、お役所はなかなか最新型の進歩と安全性を公表しませんね。ペースメーカーを使っているお年寄りたちにはもっと外出して欲しい、生活をエンジョイして欲しい、と思うのですが。
ところで、携帯電話の電磁波対策品や話を売り物にしているサイトに、”心臓ペースメーカーを使っている人は、携帯電話を使う時は、イヤホンマイクを使えば安心”と、書いてありましたが、これは間違いです。イヤホンマイクのケーブルを首の前にぶら下げて通話すると、プレーヤーで音楽を聴いているのと同じ配線関係になり、危険です。
こんな時は、ウェーブセーフを使って電磁波を手に逃がせば、心臓ペースメーカへの電磁波の影響を大幅に減らし、頭の被曝も減らせます。
2015年2月28日