トランプ・岸田・バイデン、日本にとって誰が良い?
欧米の主要メディアは米国民主党のグローバリズムの影響下にあり、日本もあの産経新聞でさえもがバイデン支持です。それでも、米国民主党とバイデン大統領は、共和党とトランプ氏の勢いを覆せません。民主党の残る手段はバイデンジャンプの再現と郵便投票数を増やすことでしょうか。
他方日本では強運に助けられてきたように見える岸田首相も、運が尽きそうです。政権を延命するには、近々に行われるであろう衆議院選挙に大勝することです。選挙に勝つためには、衆議院の解散権をもつ岸田首相は、都合の良い時に解散をして総選挙を行えます。本来政治とは、国民のための国民によるものだったのですが、岸田首相は自分のために行うことができます。しかしここしばらくは、彼にとって都合の良い内政のイベントが無いので、外交での勝利をきっかけとするでしょう。
ところで、保守の論客の嘉悦大学大学院高橋洋一教授は、岸田首相は財務省の操り人形と思われてきたが、ここへ来て減税と経済活性化を口にするようになって、財務省の言うことを聞かなくなっている、と述べました。しかし、私は岸田首相は米国民主党とバイデン大統領の支配下にあり、これまでの運の良い政治は実は民主党のお膳立てによるものだったと思います。さらに最近の日本経済が活性化したように見えるのは、民主党の裏工作による延命策なのだと思います。
この代償として、岸田首相はLGBTP法案を成立させ、日本と無関係のウクライナに1、480億円を出しました。さらに、米国議会での演説と北朝鮮で金正恩との会談をお膳立てするのは、岸田首相の延命のためであり、北朝鮮にもグローバルなパイプを持つ民主党の力です。しかし、拉致被害者全員の帰国ならいざしらず、数名程度では日本国民の心に響かず、岸田政権を延命できないでしょう。来る衆議院選挙では、一部の老人が立憲共産党に投票する以外は、国民は立候補者の中から党や人を選んで投票するでしょう。
米国民主党が考える北朝鮮行きの外交成果が拉致被害者を数名連れて帰る程度ならば、いくらメディアが成果を引き伸ばしても、国民は3日で忘れ去るでしょう。それよりも、中国のスパイを摘発することや、金正恩首領を密貿易や不正行為で締め上げる方が、国民受けをするはずだったのですが、民主党ブレーンはこれをさせません。中国や北朝鮮との裏口取引を残したかったのでしょう。
さて、もし岸田氏が首相で居続けるとどうなるでしょう。喜ぶのは習近平と中国共産党、バイデンと米国民主党、RINOと呼ばれる共和党のグローバリストです。11月の米国の大統領選でもしバイデン氏が大統領になったら、日本は米国からATM扱いされて、ウクライナとイスラエルにさらに出費を強いられます。湾岸戦争の時の“小切手外交”では1兆7500億円を使いましたが、米国主導の戦争では無く、石油も関係ないので今回のウクライナへの戦費支援は1,480億円です。これはEUや周辺当事国の合計40兆3,840億円に比べれば少ないですが、域外国としては大盤振る舞いです。
ただし、戦争が終わり戦後処理になると、はるかに多額の金を取られるはずです。戦費では無くて復興支援金の名目であれば、政府は出費し易いからです。金額は直ぐに兆を超え、日本に無関係の地域に浪費させられることになります。
これに対して11月の大統領選挙でトランプ氏が復職すると、日本外交には共和党への人脈が無いので、お目こぼしは期待できません。岸田首相でも彼以外の首相でも日本はやはりウクライナと中東の復興でATM扱いになるでしょう。
麻生副総裁が今年1月10日に渡米して、安倍晋三氏が行ったようなトランプ氏と選挙前の会談を行って、今後のパイプを作りたかったのでしょうが実現できず、共和党の人間とも話ができず、唯一講演で対中国の日米の協力が必要なことを強調してきただけです。これまでの麻生氏が対韓国では強面ですが、対中国の姿勢は不十分と評価されてしまったのでしょう。
トランプ大統領で特に大きく変わるのは、米中関係です。経済ナショナリストのトランプ大統領は、戦争は無駄な出費と考えているので、台湾と沖縄での戦争を起こさせないでしょう。ただし、日本は沖縄防衛にはGDP比2%をきっちり守る必要があります。また、防衛予算の使い方は、長射程のミサイルや原潜の建造などの、米国に代わって日本とグアム以東を巡回して西太平洋地域の平和に貢献する、軍事力の整備にシフトすることになるでしょう。
米国は、これまでの民主党政権下でのウクライナとイスラエルへの多額の出費で疲弊しています。ところが中国は台湾と沖縄諸島への侵攻を画策出来たにも関わらず、内政と経済政策の失敗で侵攻できません。トランプ政権ではウクライナとイスラエルの戦費の出費が無くなるので、中国は台湾と沖縄にさらに手を出し難いでしょう。
まとめとして、トランプ大統領であれば、日本の首相がだれであっても相手にされません。また彼の経済第一の政策と核抑止力で米国は戦争をせず、日本は戦争に巻き込まれません。しかし、バイデン大統領と岸田首相の続投であれば、日本はウクライナと中東でATM化します。中国は西太平洋の覇権を握り、少ない戦費で済む金門島と尖閣諸島を占領する武力の誇示と内政問題のガス抜きに、日本は巻き込まれることになるでしょう。ただし、バイデン大統領の言いなりにならない首相を選べば、尖閣を失うことは無いでしょう。