羽根邦夫Blog

”工学博士、電磁波対策製品WAVESAFE発明者のブログ”

スマートフォンのマニュアルに書かれた、電磁波対策

スマートフォンを製造する企業は、電磁波に対する社会的な不安に対処して、マニュアルの片隅に電磁波対策の文章を乗せてあります。対策とは、まずICNIRPに規制値以下の電磁波放射量であること。これはSAR値で表示します。次に使用する場合の身体や頭からの距離。これは身体が受ける電磁波が距離の二乗に半比例して減るので、これ以上の距離で使って下さい、と言う値。

最近の傾向として、かつては通話時に頭から何センチ話して下さい、だけだったのが、具体的にイヤホンマイクを使うように、となっています。きっと、頭から離して使うのは無理、とのイチャモンが付いたからでしょう。健康にかかわる事なので、このマニュアルの持つ意味と、本当にこれで大丈夫なのか、解説をします。

SAR値とは

SAR値とは、⼈体の近くで使⽤する携帯電話機などの無線機器から送出される電波が⼈間の健康に影響を及ぼさないよう、科学的根拠に基づいて定められたものです。⼈体に吸収される単位重量当たりの電波の平均エネルギー量(ワット)を表すもので、⽐吸収率SAR(Specific Absorption Rate)と呼びます。目や睾丸などの繊細な部位では1gあたり1.6W/kg、頭部などのもう少し大きな局所では10gあたり2W/kgを許容値として、これを超えないこととしています。この許容値は、使⽤者の年齢や体重に関係なく一律で、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP、電磁波強度の規制値を決める国際的な委員会)がガイドラインとして示したもので、世界保健機関(WHO)がこの値を規制値としています。

携帯電話機は、携帯電話基地局との通信に必要な最低限の送信電力になるよう設計されているため、実際に通話等を行っている状態では、通常SARはより小さい値となります。一般的には、基地局からの距離が近いほど、携帯電話機の出力は小さくなります。

各電話機メーカーが示す、SARと使用時の頭部との距離について

各携帯電話会社が公開しているマニュアルを引用します。この手のデータを皆さんは気にかけないかもしれませんが、設計製造の技術者は通信に影響を与えない範囲で少しでも減らそうとしています。理由はお分かりですか。
電磁波を効率よく送受信して、電池を長持ちさせるためです。効率よく電磁波を放射させると、頭部被曝量が減る副次的な効果が得られます。

Apple

iPhone6のSAR値は、局所頭部(10g)で0.38~1.18W/kg

RFエネルギーへの曝露を減らすために、ハンズフリーオプション(内蔵スピーカーフォン、付属のヘッドフォン、その他の類似したアクセサリなど)を使用してください。iPhoneを持ち運ぶときは、曝露レベルが検査時レベル以下になるように、人体から5mm以上離してください。

Samsung

Samsung SC-01HのSAR値は、局所頭部(10g)で、0.928W/kg

キャリングケース等のアクセサリをご使用するなどして、身体から1.5センチ以上離し、かつその間に金属(部分)が含まれないようにしてください。このことにより、本携帯電話機が国の技術基準および電波防護の国際ガイドラインに適合していることを確認しています。

Motorola

Motorola RAZR M201MのSAR値は、局所頭部(10g)で、0.701W/kg

キャリングケースなどのアクセサリをご使⽤になるなどして、⾝体から 1.0センチ 以上離し、かつその間に⾦属(部分)が含まれないようにすることで、この携帯電話機は電波防護の国際ガイドラインに適合します。

SONY

Sony Xperia XZのSAR値は、局所頭部(10g)で、1.26W/kg

キャリングケースなどのアクセサリをご使⽤になるなどして、⾝体から 1.5 cm 以上離し、かつその間に⾦属(部分)が含まれないようにすることで、本製品は電波の⼈体吸収に関する国の技術基準および電波防護の国際ガイドラインに適合します。

携帯電話を使い続けるとどうなる

しかし、このマニュアルに書かれた使用方法を守るのは結構面倒でしょう。それに、1回守らなかったら、即、病気になるのかと言えば、1回の使用で発症するわけではありません。ただし、脳腫瘍になる確率が蓄積して少しずつ増えます。
疫学的に「携帯電話の使用による脳腫瘍の確率」は、2009年8月にネット上に公表されたCellphones and Brain Tumors 15 Reasons for Concernで発表されています。現物は以下のURLでダウンロードできます。http://www.radiationresearch.org/pdfs/reasons_us.pdf
このドキュメントはThe Precautionary Principle(予防原則)の立場で、携帯電話の電磁波には脳腫瘍の原因となる危険が有るのだから対処すべき、とする学者グループの声明文です。たとえICNIRPのガイドラインに従って作られた電話機を使っても、疫学調査と研究をしたところでは、予防原則的には問題があったためです。
この声明文が出されたいきさつについては、いずれお話をします。
具体的には、脳腫瘍の発症確率が携帯電話を使うことで毎年20%ずつ増える。としています。前年に比べて確率が1.2倍になり、4年ごとに約2倍になり、13年で約10倍になります。脳腫瘍の確率が元々1万人に数名ですから、13年使うと千人に数名、26年使うと百人に数名、39年では10名に数名、となります。
物凄く荒っぽい計算で、ガン化が進んだ時にこのままの確率が引き継がれるとも思えません。が、予防原則で、ペシミスティックに考えると、10代からイヤホンマイク無しで電話を使うと、がん細胞の成長率は若年者では活発ですし余命も50年以上あるので、この数字が現実となる危険が大いに有ります。

まとめとして

世の中に携帯電話が導入されてから20年近くなりますが、そろそろ影響が出てくるのでしょうか。約40年後には10人に数名が脳腫瘍になるのか、ぜひ、Cellphones and Brain Tumors 15 Reasons for Concernをダウンロードして皆様もお考えください。
頭部の電磁波被曝を避けましょう。ウェーブセーフはこの確率を大幅に減らします。

Copyright © 2015-2021 Hane, Inc. & Beacon Associates, Inc.