羽根邦夫Blog

”工学博士、電磁波対策製品WAVESAFE発明者のブログ”

新日本の労働力活用の原則 (新日本2100計画 2)

 日本は地政学的にアジア大陸から太平洋への出口を塞いでおり、台湾、フィリピンと並んで、中国、北朝鮮、韓国、ロシアにとって目障りな位置に有ります。今後、人口が3分の1に人口が減少しても、中朝露からの干渉を受けずに自立するには、2020年現在のGNPが3位の生産力に基づく経済・外交・防衛力を維持することが必要です。このためには、2100年までの今後80年間の日本の社会は、人材を活かして使う以下のランチェスターの2次法則(注)を満足することが重要です。
(ランチェスターの法則)
 英国は産業革命を蒸気機関の実用化で成し遂げました。第2の産業革命は、情報活用とIT技術が核心と言われます。この高度情報化は、金融や第3次産業に対する恩恵となりますが、農漁業や製造業などの肉体を使う1、2次産業にとっては、ITは枝葉の技術です。
 日本の農漁業や製造業は、すでに近代化されています。そして、機械力や情報ではなく、労働力を活用する別次元の原理を実施しています。農業に例をとると、単に肉体を使うだけで草むしりや収穫などを各人がバラバラに行う時、その成果は人数に比例します。この関係をランチェスターは1次法則と呼びます。しかしそれぞれが他者と異なる専門性を持ち、7連携してそれぞれの能力を活かしながら耕作をする場合、成果は人数の二乗に比例した2次法則となります。
 日本は百年以上にわたって周囲や自然との関りが形成されているため、お互いの意思疎通が良好です。また、教育レベルが高く、かつ各人の技術が進んでいます。これにより新しい仕事でも、共同作業者の意向を理解し、各人の能力を熟知しているため、共調してそれぞれの特長を活かす様に、相談しながら適材適所で成果を上げる、2次法則が当てはまる国です。
 例えば、農業では天候に応じて生産力を調整し、市場のニーズに合わせる作業を行います。長老が「今日から寒くなるから田に水をはろう」と言えば、若手が水路を整備し、他の若者は村の田んぼ全体の水を整えます。漁業も同じ、天候の急変や魚の回遊を予測して仲間に伝えます。有名なトヨタのカンバンも同じで、誰かの発想を社内にカンバンとして伝える、強力な情報伝達手段です。農業でも工業でも、これらの内容はノウハウとも呼ばれ、通信手段は口頭や紙などでも可能です。これが先ほどのIT無しの情報手段で、別の言葉では意思疎通であり、必要十分な情報が十分な速度で伝わります。

 2100年の日本の人口が1.2億人から4千万人となれば、すでに2次法則で働いているので、生産力は9分の1となってしまいます。それでも現在の生産力を保つには、今まで1次法則で働いていた人材を探し出して、2次法則で働くように転職して有効な労働者数を増やすことです。
(注)ランチェスターの法則とは、戦争における効果の数理モデルで、オペレーションズ・リサーチのきっかけとなる理論です。最初は単独戦と団体戦の比較で1次、2次モデルが有りましたが、後に戦術、戦略、から経営にまでこの理論を適用しています。

(反面教師としての中国と韓国)
 中国は人口が日本の10倍ですが、GDPが4.3倍に過ぎないのは、国民がバラバラに働く1次法則の国だからです。中国は伝統的な科挙制度が残る国で、国民の教育レベルが高く産業も発展するはずですが、そうはなりません。これは伝統的な国民の意識が根底に有って2次化を阻害しているからです。
 中国、そして韓国も、幼少時から朱子学をベースとする儒教的教育によって個の能力を重視し、目上は敬うが友人は適当に離れていた方が良い、とします。さらに、他民族を卑下する中華思想であり、生活では排他的な氏族主義文化を墨守しています。
 この個人の利益を重視する氏族主義は、有益な情報を外に漏らさないために社会の進歩を阻害し、産業に悪影響をおよぼします。過去において、両国の産業は外国人技術者の引き抜きで一時的に隆盛となりましたが、自国の技術者が育たず、新技術を創ることが出来ませんでした。サムソンやヒュンダイやファーウェイが政府からの補助金なしでは立ち行けないのは、基盤技術を育てていないからです。
 この様な思想の中韓の国民が日本に来ても、日本人は「他人を活かすことで自分も生きる」に対して、両国民は「結果重視で勝手にやる」ので、2次法則が成立しません。この様に両国国民は協調性に欠けるため、新技術を共有して共に発展することは期待できません。
 以上の理由と、中国と韓国からは伝統的に日本での居住者が多いのですが、民族的、歴史的なことを勘案しながら今後のブログを進めます。

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