AIで変わる世界の力関係
国際関係論の伊藤貫氏は、国際関係は1極よりも2極、3極、と強い国が増えた方が安定しで良い、としています。実際に、第2次大戦直後の米ソの2極状態では戦争は起きず、世界は安定していました。しかし、経済発展に失敗したソ連邦が分裂し、米国だけが勝ち抜けて世界は1極となりました。1強となった米国は、リビア、イラク、アフガニスタンと他国に戦争を仕掛けています。ところが、この不安点な1極構造に中国が0.5となって加わって1.5強となったのですが、ウクライナとイランの2つの戦争で世界はさらに不安定です。

ウクライナ戦争はヨーロッパが仕掛けてロシアが反応した代理戦争で、イラン戦争はイスラエルが米国をけしかけたものですが、0.5の中国が裏で立ち回ってさらに関係を複雑化させて終戦を遠ざけています。この1.5極状態は、0.5の中国が自分が騒いでも世界を2分する大戦にはなるまい、と悪さをして米国1強や米ソ2強よりも不安定です。現在、世界は不揃いながらも米国、中国、ロシア、欧州、そして日本の5つの主要国で極数が増えていますが、不安定なのは0.5の国々が無責任だからです。
こんな世界情勢下で日本は、経済と軍事力で力を持ち中露朝と対峙して、地政学的には日本はアジアとインド・太平洋を束ねる重要国ですが、核が無いので実質勢力は0.5です。一方、同盟国と言われる米国は、地政学的な価値を持ち、放っておくと米国を凌ぐ力を持つかもしれない日本を支配下に置くために、核武装を許しません。つまりこのまま日本はずっと0.5のままで地域の平和に役立たずです。
そこで最近の日本は、核武装化の代わりに陸海空で長距離攻撃能力と即応体制を強化し、海軍艦艇の増産、ドローン戦力の開発などの通常兵力の拡充に努めています。それでも国民を核兵器の人質に取られていては、先制攻撃をしない限り中国の核攻撃を防ぐ手立ては無く、防衛力としての効果は0.5で、地域平和への貢献も限られます。
そこで出てくるのが対等な戦力を持つための核武装論ですが、左翼は議論を拒否して宗教的な禁否とし、保守は議論をするのが面倒だから、と国内世論は進まないでしょう。しかし、幸いと言うか残念と言うか、核武装がサイバー技術によって無意味になるかもしれません。サイバー攻撃は、敵対国のインフラと兵器を行使する手段を気付かれずに効果的に無力化してしまいます。つまり、核兵器を使えなくしてしまうのです。
このサイバー技術分野に於いて、米国は多くのIT企業を有し、イーロン・マスクなどの先進的企業人で構成された経済界と、アンソロピック社を筆頭とするAIソフト企業で、1強状態です。これはベネズエラ、イラン、と中国製の兵器が米国のサイバー攻撃に全く役に立たなかったと言われている様に、わずか半年で米国のAI技術は世界を席巻し、世界はまたも1極構造となってしまいました。
すなわち、米国は通常兵器と核兵器で物理的に1強です。サイバー分野では、アンソロピック社はミュトスで中国のインフラと兵器システムのセキュリテュホールを探し出し、クロードでウィルスを仕込んであるでしょう。AIは1位を取らなければ残りは負けです。いざという時に、中国がこれまで営々と金をかけてきた兵器と社会インフラは動かなくなり、中国は戦争を仕掛けられて負けたことさえ気づかずに社会が崩壊してしまうでしょう。
それでも、崩壊した中国の維持が面倒なので米国は中国をサイバー攻撃せず、中国は現状で維持されます。そんな中国と日本は経済、外交、地政学的に対峙をしなければなりません。日本は優秀な人物による政治があと10年続けば、自由な日本が政治と社会と経済が硬直化した中国を追い越すことになるでしょう。
ただしその時点で問題となるのは、ボートピープルと化して、中国ともしかすると韓国からの難民です。彼等は儒教に影響された孔子を仰ぐ1神教徒で、イスラムやキリスト教徒と同じ弱肉強食です。儒教に基づく選民思想の中韓国民に、八百万の神を信じる優柔不断の日本民族が合わせるのは難しいでしょう。今から彼らにどう対処するかを考えておく必要があります。
