かつお、春と秋で味がかわる季節の魚
かつおは江戸の昔から好まれた魚で、四国沖から北上して東北に向かうかつおは4月5月は初がつおと呼ばれて特に珍重されました。三陸沖を過ぎたかつおは北太平洋で餌をたっぷり食べ、9月10月の房総沖に戻ってきた時は、脂の乗った戻りがつおと呼ばれます。
有名な、江戸っ子が妻を質にいれて食べたのは、脂の乗っていない初がつおです。江戸時代は、脂の乗らないさっぱりした魚が好まれて、まぐろのトロは猫跨ぎ(またぎ)と呼ばれて下品な食材でした。しかしこれは、流通の問題であって、新鮮であれば中トロは大変に美味しいです。
この様に、カツオは年に2度の旬の時期があります。まぐろはある程度大きくならないと脂の乗りがわるくてパサついていますが、戻りがつおにはしっかりと脂が乗っていて、まぐろの中トロの様に丁度良い脂の乗りになります。実は私、魚には好き嫌いが多くてまぐろで手を出すのは赤身だけで、脂の乗ったまぐろのトロやぶり、かんぱちなどは、鮮度が落ちて生臭いのが多く、刺身には最初から手を出しません。

鮮度が落ちるのが速いかつおですが、最近の流通技術の進歩で新鮮で美味しいうちに敦夫の脂身を頂けます。腹身の前の方の脂の乗った部分は、手間をかけずにわさびか生姜で単純に食られます。背の部分は腹よりも厚めに切って叩きにすれば、これぞかつお、と美味しく味わえます。これは脂の乗っていない初がつおでも同じことです。藁で焼くことで有名な土佐の叩きは、江戸沖に行く前のもっと脂が乗っていなかっかつおに煙の風味を付けてを美味しくしたのでしょう、
新鮮なかつおには爽やかな香が有り、わさびと醤油を使うとこの香りが負けてしまうので、ニンニクとぽん酢が合うと思います。厚切りのかつおに、きざんだニンニクとアサツキをたっぷりとぽん酢をかけて叩き5分ほど馴染ませてから、本当に新鮮なら塩、ちょっとだったら醤油を付けてカツオの香りを活かすのが美味しいです。
気を付けて頂きたいのは、かつおを柵で買って来た時は、全部を叩きに使う厚切りにしないで、食べきれない分を後で薄切りにして漬け(づけ)にできるように、柵のままにしておくと良いです。
