レアアースは全17個が周期律表の同じ場所に入る不思議
産業界で、レアアースとレアメタルは共に重要な元素です。両方の元素に付くレアとは「稀」の意味ですが、価値は稀ではありません。日常的に大量生産・消費される鉄や銅、アルミニウムなどは「ベースメタル(コモンメタル)」と呼ばれます。これに対し、産業上の重要性は極めて高いものの、流通量が少ない金属をレアメタル、レアアースと呼びます。

レアアースは、ごく少量を他の金属に混ぜるだけで劇的に性能を向上させ、光学レンズ、LEDやレーザー等の光学部品、モーター等の電気機器の性能を画期的的な効果が有る、17種類の元素の総称です。周期律表の縦の左から3番目、上から6番目のランタノイドの場所に、下のピンクに塗られた17個の元素が詰まっています。つまり、レアアースとは同じ化学的性質を持つ原子番号57~61の元素群のことです。
17個のランタノイドは原子の内部深くにある電子が詰まる「4f軌道」の電子数が異なり、他の原資との結合を決める最外殻電子数が同じなので、同じ化学性質をもつ分けです。それでも、4f電子が異なるので元素ごとに異なる不対電子のスピンや微細な電子配置の違いで、磁石や発光といった特殊な機能が異なります。
一方、周期膣表で黄色くい塗られた31の元素をレアメタルと呼び、流通量が少なくあまり使われず、性質もバラバラの元素で化学的性質も異なります。それでも最近話題の重く硬い74番のタングステン、半導体材料として今後伸びる31番のガリウム、軽量だが抜群の強度を持つ22番のチタン、などが異なる最外殻電子によって、鉄やアルミニウムと違った、唯一無二の特性を持つ金属たちです。これらの金属については、いずれ書くことにします。
17個のレアアースは化学的性質が同じなので、深海底で同じ様に魚の死骸の骨や歯のリン酸カルシウムに吸着します。この吸着物がレアアース泥として産出されることになり堀削と精錬が容易である特長と、陸上産のレアアースの様に放射性物質のトリウムやウラン、ヒ素や鉛やカドミウムと言った毒物が一緒に産出されてしまう欠点が無いのも大きな特長です。レアメタルも幸いにも、日本の領海内の深海底に存在する場所や条件はそれぞれ異なりますが集積しています。

日本は東京都小笠原村の南鳥島を領有しているおかげで、広い領海内の鉱物や漁業の権利を保持することが出します。今後、港を作ることでレアアース泥やレアメタルの鉱石、あるいはメタンハイドレードを深海掘削船から輸送船に積み替えることが可能にななります。島と港の有無は、領海の権利だけでなく資源の輸送まで考えれば、大きな優位となります。
